― 行政運用と地域特性から読み解く産業廃棄物許可審査の実態 ―
産業廃棄物収集運搬業の許可申請において、鳥取県・島根県は「審査が丁寧」「処理期間が長め」という評価を受けることが多い地域です。
実際、標準処理期間は鳥取県が24日、島根県が30日と案内されているものの、実際の審査期間の平均は約2か月ほどと、他県の審査期間と比べて長い傾向にあるように思えます。
では、なぜ山陰地方はこのような傾向があるのでしょうか。
その理由を行政運用・地域特性・実務者の経験則の3つの視点から整理します。
1. 行政組織がコンパクトで、1件あたりの審査が丁寧になる
山陰地方は人口規模が小さく、行政組織も大都市圏に比べてコンパクトです。
そのため、
- 審査担当者の人数が限られる
- 一人あたりの担当範囲が広い
- 申請件数は少ないが、1件あたりの審査に時間をかけられる
という構造が生まれます。
結果として、「件数は少ないが、1件ずつ丁寧に確認する」という運用になりやすいのです。
2. 山陰特有の気候・地形により、審査項目が自然と増える
鳥取県・島根県は、冬季の気候条件が厳しい地域です。
- 豪雪
- 凍結
- 強風
- 山間部の狭路
- 土砂災害リスク
これらは産業廃棄物運搬に直接影響するため、審査では以下の点が細かく確認されます。
- 運搬ルートの安全性
- 冬季の運搬対策
- 車両の通行可否
- 事業場の立地状況
- 位置図・写真の精度
つまり、地域特性が審査の丁寧さを必然的に生むという構造です。
3. 行政文化として「慎重・丁寧」な傾向がある
山陰地方の県庁は、実務者の間で以下のような評価を受けることが多いです。
- 補正が細かい
- 書類の整合性を厳密に見る
- 位置図・写真の精度を重視する
- 原本照合を積極的に行う(島根県)
これは、地域性として
- コミュニティが密接で、行政への信頼が重視される
- 環境保全意識が高い
- トラブルを未然に防ぐ姿勢が強い
といった背景があると考えられています。
4. 公的書類は「発行日から3か月以内」+原本照合が可能
山陰地方では、提出書類の正確性を重視するため、
- 公的書類は発行日から3か月以内
- 原本照合が可能(島根県)
という運用が徹底されています。
これは、書類の信頼性を担保するための丁寧な運用と言えます。
5. 提出先が住所で分かれるため、事務処理が分散する
鳥取県・島根県ともに、申請者の住所によって提出先が異なります。
- 鳥取県:鳥取・倉吉・米子
- 島根県:松江・出雲・浜田 など
この分散型の運用は、地域密着型で丁寧な反面、
事務処理のスピードが均一化しにくいという側面があります。
提出先の詳細については鳥取県・島根県のサイトをご覧ください。
まとめ:山陰地方の審査が丁寧な理由は「構造的な必然」
山陰地方の審査が丁寧で時間がかかる理由は、次の5つに集約できます。
- 行政組織がコンパクトで1件あたりの審査が丁寧
- 豪雪・凍結・強風など地域特性により確認項目が多い
- 行政文化として慎重・丁寧な傾向がある
- 公的書類は3か月以内・原本照合可能など書類精度を重視
- 提出先が住所で分かれ、事務処理が分散する
つまり、山陰地方の審査が丁寧なのは、
法律ではなく“行政運用と地域特性”による構造的な必然なのです。
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