1. はじめに:シリーズの趣旨と茨城県編の位置づけ
本シリーズでは、産業廃棄物収集運搬業の許可申請について、都道府県ごとの制度の違いや実務的な注意点を、行政書士の視点からわかりやすく解説しています。
第5弾となる今回は、関東地方でも申請者に優しい運用が特徴の「茨城県」に焦点を当てます。
製造業・農業・建設業が盛んな茨城県では、廃棄物の排出量も多く、収集運搬業のニーズが高まっています。令和7年度の制度改正も踏まえながら、初めて申請する方にも役立つ情報をお届けします。
2. 茨城県の申請制度の特徴
茨城県では、郵送申請が可能で、手数料の電子納付(Pay-easy・クレジットカード)にも対応しています。
申請者の利便性を重視した運用がされており、以下の点が特徴です:
- 電話による事前予約が必要
- 電子納付可能(郵送申請の場合)
- 主たる事務所および駐車場付近の見取り図の提出が必要
- 申請書類は紙製のフラットファイルで綴じて提出
また、申請書類の様式や添付資料の要件も比較的明確で、他県と比べて「実務者に優しい県」と言えるでしょう。
3. 令和7年度の主な変更点
令和7年度(2025年度)には、以下のような変更・運用強化が見られます:
- ✅【電子納付の推進】
クレジットカード・Pay-easyによる納付が正式対応。収入証紙の購入が不要になり、郵送申請の利便性が向上。 - ✅【許可証の様式変更】
許可証の台紙が県章なしの無地に変更。委託契約書添付時の視認性向上を目的としたもの。 - ✅【経理的基礎の審査強化】
自己資本比率・損益状況によっては、改善計画書や収支予測の提出が求められるケースが増加。 - ✅【写真要件の明確化】
車両・容器の写真は実物撮影が必須。アームロール車はコンテナ積載状態での撮影が求められる。
4. 実務者が気を付けたいポイント
茨城県で申請を行う際、以下の点に注意することでスムーズな許可取得につながります:
- カタログ画像は不可。実物を真正面+側面から撮影すること。
- 実際に取り扱う廃棄物に絞って申請すること。不要な品目は審査の負担になる。
- 申請時に有効な修了証を添付できない場合でも、申立書の添付で対応可能
5. 現場での気づきと工夫
茨城県は、申請者とのコミュニケーションが比較的柔軟で、事前相談や書類の確認にも応じてもらえる傾向があります。
実務上、以下のような工夫が効果的です:
- ✅【Notionでの進捗管理】
書類の準備状況や添付資料のチェックリストを共有することで、ミスを防止。 - ✅【Canvaでの図解資料】
駐車場の見取図や車両配置図を視覚的に整理することで、審査官の理解がスムーズに。 - ✅【WordPressでの顧客向け説明ページ】
よくある質問や申請の流れを図解付きで掲載することで、顧客対応の効率化につながる。
6. おわりに:次回予告と読者へのメッセージ
茨城県は、制度の柔軟性と電子化の進展により、申請者にとって非常に取り組みやすい県です。
初めての申請でも、ポイントを押さえればスムーズに進めることができます。
手続きの流れについてはこちら、茨城県のサイトはこちらをご覧ください。
次回は「栃木県編」を予定しています。北関東のもう一つの重要エリアである栃木県では、農地や建設系廃棄物の取扱いに特有の注意点があります。
引き続き、地域ごとの制度の違いを丁寧に解説していきますので、ぜひご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございます。