この記事は「スクラップヤード条例シリーズ」第3回です。前回は埼玉県の条例内容と事業者対応について解説しました。今回は、条例制定が進む千葉県に注目し、自治体ごとの規制内容と事業者が取るべき対応策を紹介します。

千葉県におけるスクラップヤードの課題
千葉県では、金属スクラップを扱うヤードが住宅地近くに立地するケースも多く、以下のような問題が顕在化しています:
- 🔥 火災(特に雑品スクラップの山積みによる延焼リスク)
- 💧 油や汚水の流出による環境汚染
- 🔊 騒音・振動による住民苦情
- 🚛 不法投棄や盗難車の解体疑惑
これらの問題に対応するため、複数の市町村が独自の条例を制定し、ヤード事業者に対する規制を強化しています。
条例を制定している主な自治体・地域差
現時点で、千葉県内でスクラップヤード条例を制定している自治体には以下があります:
千葉市:千葉県条例(令和6年4月1日施行)に先立ち、令和3年11月1日に施行
千葉市の条例のほうが規制内容が詳細かつ厳格
袖ケ浦市:千葉県条例(令和6年4月1日施行)に先立ち、令和5年4月1日に施行
既存業者に対して届出による「みなし許可」(5年間)制がある
行政書士が支援できるポイント
千葉県の条例対応において、行政書士が果たせる役割は以下の通りです:
- 📑 自治体ごとの条例比較と対応方針の整理
- 🗺️ 施設図面・配置図の作成支援(高さ・面積・設備の記載)
- 📋 誓約書・契約書のテンプレート提供(条例遵守の誓約)
- 🗣️ 住民説明会の運営支援(案内文・質疑応答対応)
- 🧭 許可申請の代行と自治体との調整
条例の内容が細かく分かれているため、事業者単独での対応は困難なケースも多く、専門家の支援が求められています。
次回予告
第4回では「スクラップヤード条例がない地域でも必要な法令遵守とリスク対策」と題して、条例未制定地域における事業者の法令対応と行政書士の支援可能領域を解説します。
【第1回】スクラップヤード条例とは?ヤード規制の背景と行政対応はこちら
【第2回】埼玉県スクラップヤード条例のポイント|許可制・施設基準はこちら
千葉県特定再生資源野外保管業の規制に関する条例(スクラップヤード条例)について、詳しくは千葉県のサイトをご覧ください。
スクラップヤードに関するご相談はこちらまでどうぞ。
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