はじめに:京都府編で押さえておきたいこと
イーウィル:「ノブカワさん、うちも京都市内のリフォーム現場が増えてきまして…。現場で出る廃材を自社で運びたいんですが、京都府って何か特別な注意点はありますか?」
ノブカワ:「いいタイミングですね。京都府は“京都市が政令指定都市”なので、申請先が分かれるのが大きな特徴です。このシリーズもいよいよ19回目。歴史的景観や観光地ならではの事情が、申請や事業計画に色濃く反映されるエリアなんですよ。」
イーウィル:「なるほど…“京都らしさ”が産廃許可にも関係してくるわけですね。」
京都府の申請制度の特徴:府と市で申請先が分かれる
ノブカワ:「まず一番大事なのが“どこに申請するか”です。京都府では、産業廃棄物収集運搬業の申請先が次のように分かれています。
- 京都市内で事業を行う ⇒ 京都市長許可(京都市環境政策局)
- それ以外の京都府内 ⇒ 京都府知事許可(京都府環境管理課)」
イーウィル:「うちは京都市内の現場がメインなので、市長許可ってことですね。」
ノブカワ:「そうです。もし将来的に“京都府北部の現場もやりたい”となった場合は、府知事許可も検討が必要になります。
どこまでのエリアをカバーしたいのか、早めに決めておくと、あとで取り直しをせずに済みますよ。」
申請方法と実務フロー:郵送・予約・レターパック
イーウィル:「申請書類って、持ち込みじゃないとダメですか?遠方なので、できれば郵送で済ませたいんですが…。」
ノブカワ:「京都府も京都市も、郵送申請は可能です。ただし、
- 事前に担当課へ電話連絡をして、書類の確認や送付方法を相談
- 副本返送用のレターパックを同封(宛先・連絡先の記載も忘れずに)
といった一手間が必要になります。」
イーウィル:「なるほど。事前連絡をしておかないと、書類不備で戻されたりする可能性もあるわけですね。」
ノブカワ:「そうなんです。現場のスケジュールに影響しますから、申請時期と工事開始時期は、余裕をもって逆算しておきましょう。申請について詳しくは京都府のサイトをご覧ください。」
実務者が特に気を付けたい3つのポイント
(1) 事業目的:登記事項証明書にきちんと明記されているか
ノブカワ:「京都府・京都市ともに共通して重要なのが、会社の目的です。
登記事項証明書に
『産業廃棄物収集運搬業』
など、適切な文言が明記されていないと、そもそも申請を受け付けてもらえないことがあります。」
イーウィル:「定款には書いてあるんですが、登記には載っていないかもしれません…。」
ノブカワ:「その場合は目的変更登記が必要です。
“申請書を作り始めてから気づいた”となると、スケジュールが一気に詰まってしまうので、
まずは登記事項証明書の目的欄を必ず確認しておきましょう。」
(2) 車両の使用権原:リース・借入れ車両の証明
ノブカワ:「次に、“車両の使用権原”もチェックされます。
自社名義の車だけでなく、
- リース車両 ⇒ リース契約書の写し
- 関連会社名義の車 ⇒ 使用許可に関する書面
など、なぜその車を業務に使ってよいのかを示す資料が必要になります。」
イーウィル:「リース車両が多いので、契約書のコピーを揃えておきます。」
ノブカワ:「はい。ナンバーや車台番号などが分かるページが必要になりますから、
手元にある契約書を早めに確認しておくと安心です。」
(3) 京都市内特有の“交通規制”と“観光イベント”への配慮
ノブカワ:「最後に、京都市内ならではのポイントが、交通規制とイベントへの配慮です。」
- 観光シーズン(桜・紅葉)
- 大規模イベントや祭(祇園祭など)
こうした時期は、中心部の交通規制や渋滞が激しくなります。
イーウィル:「確かに、普通に走るだけでも大変そうですね…。」
ノブカワ:「なので、事業計画書の中に、
- 渋滞が激しい時間帯を避ける運搬計画
- 大型車両での進入を控えるエリア
- 迂回ルートや集配時間の工夫
といった配慮を書き込んでおくと、審査側にも“きちんと考えている会社”と伝わりやすくなります。」
京都ならではの「景観配慮」の工夫例
イーウィル:「“景観に配慮しています”って、具体的にはどう示せばいいんでしょうか?」
ノブカワ:「例えば、こんな工夫が考えられます。」
- 施設見取図に周辺の特徴物を記載
- 近くに町家が並んでいる
- 寺社や歴史的建造物がある など
- 看板・表示の写真を添付
- 周囲の建物と調和した色使い
- 必要以上に大きく・派手になっていない表示
- 車両写真+運行ルート図をセットで提出
- 車両側面の表示が見やすく、かつ派手すぎない
- 主要観光地のど真ん中を避ける運行ルートの例
イーウィル:「なるほど。“景観に配慮しています”という一言だけじゃなくて、
写真や地図で示してあげるわけですね。」
ノブカワ:「その通りです。
副本の返送には、府の本庁で2〜3週間、京都市の場合はもう少し早いケースもありますが、
工事の契約スケジュールには余裕を持たせておくと安心ですね。」
おわりに:まず確認したいチェックポイント
ノブカワ:「今日は京都府、とくに京都市内での申請制度について整理しました。
- 申請先が“府”と“市”に分かれること
- 令和7年度以降、電子申請や景観配慮のチェックが強まっていること
- 事業目的・車両の使用権原・交通規制への配慮が大事なこと
このあたりが、実務者として押さえておきたいポイントでしたね。」
イーウィル:「ありがとうございます。
まずは登記事項証明書と車両関係の書類を確認して、
運搬ルートと時間帯も、京都市内の状況に合わせて考えてみます。」
ノブカワ:「京都府・京都市での申請を検討されている方は、
- 目的欄に“産業廃棄物収集運搬業”が入っているか
- 車両の契約書や写真が揃っているか
- 観光シーズンの運搬計画に無理がないか
この3点からチェックしてみてください。
自社だけで整理が難しい場合は、早めに専門家へ相談してもらえると、やり直しや手戻りを減らせます。弊所での申請に関してはこちら、相談したい場合はこちらまでお気軽にどうぞ。」
